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あとどのくらい身長が伸びる?「ALP」の数値からわかること

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ここでは、お子さんの身長に悩んでいる保護者のために、あとどのくらい身長が伸びるのか、ALPの数値からわかることをリサーチして紹介しています。“身長先生”こと東京神田整形外科クリニック院長・田邊雄医師による動画解説もご覧ください。

ALPとは

酵素の1種であるALPは、骨の代謝や合成をする際に働く物質だといわれています。代謝とは、太りやすい・痩せやすいといったことに関係しますが、骨にも存在するといわれています。

ALPの数値について

ALPは、成長期になるとともに増加し、大人になると減少するという推移をたどるのが特徴です。具体的に説明すると、ALPは思春期の訪れとともに急激に増え、500位をピークに自然に減っていくイメージだといわれています。

ALPは、JSCC法と呼ばれる日本の基準に基づいて採血されていました。しかし、2021年4月からIFCCという世界基準に移行したため、基準値が少し変更になりました。もし、手元にある血液検査のデータが古い基準で示されている場合は、以下の式で変換してみましょう。

  • 旧ALP×0.35=新ALP

旧ALPが1000以上の場合、新ALPは350以上という計算になります。350を切ると、成長期がだんだん終わりに近づいてきたということになります。175を切ると、終盤に入った数値だといわれているのです。

大人の基準値である113になると、その時の身長が最終身長ということになります。ALPの上昇・下降のタイミングは、早熟なら早く、晩熟なら遅い傾向にあります。さまざまなデータからわかっていることは、女子のほうがピークがやや早めな傾向にあるのです。

※参照元:東京神田整形外科クリニック公式HP「血液検査のALPが高い子供の身長は伸びる?新ALPと旧ALPの違い!」【PDF】(https://tokyo-seikeigeka.jp/column/【本気の人向け】身長が伸びるタイプか採血で分

ALPの数値から見える伸びしろ

採血をするとさまざまなデータがわかりますが、中でも重視したいのがALP(アルカリフォスファターゼ)の値です。思春期を迎える前の子どもはまだ参考になりませんが、思春期以降の数値は、その後の伸び率を予測するうえで有効な指標です。

骨端線とALPの関係

骨端線とALPの関係は、一般的によく知られている「速さ×時間=距離」の式にたとえられます。骨端線は、タイムリミットまで残された時間です。ALPは速度にあたり、データが高値を示せば、高速で走行中ということになるのです。残された時間で、どのくらい距離(身長)を伸ばせるかということになります。

時間(骨端線)は残りわずかでも、速さ(ALP)は出ている子どももいれば、逆もいて、個人差が見られやすいです。この関係に基づけば、早熟の場合は最終身長が低い理由もわかってきます。

採血から把握できる、その他の要素

成長ホルモン

人の身体にとって重要なホルモンの1つである成長ホルモンは、睡眠中に視床下部という部位から送られる促進と抑制のシグナルに反応して、脳下垂体で生成・分泌されるのです。

この成長ホルモンの刺激によって、ソマトメジンという成長因子が肝臓から分泌されます。

性ホルモン

思春期が始まったかどうかを判断する客観的な指標であるホルモンです。小学校高学年では判断が難しいケースもありますが、成人の基準値に近づき始めれば、思春期の訪れと判断します。

ちなみに、成長ホルモンと性ホルモンの場合、身長への影響が強いのは性ホルモンの可能性が高いと言われています。思春期に入った後の急激な伸びは、性ホルモンならではです。しかしながら、どちらのホルモンも重要であることには変わりません。

鉄分

身長を伸ばすうえで欠かせない成分の1つです。鉄の量を調べる方法はさまざまありますが、まず確認したいのは「フェリチン」と呼ばれるデータです。これを調べると、身体にどのくらい貯蔵鉄があるのか把握できます。

なお、成人男性の基準値は17~321だといわれているのです。鉄分に関しては、TIBC(総鉄結合能)という成分のデータも確認します。これは簡単に説明すると、鉄と血がどのくらい結合できるかどうかの指標です。上記のほかには、ヘモグロビンのデータも重要です。

成人男性の基準値は以下の通りです。

  • フェリチン:17~321
  • TIBC(総鉄結合能):239~367
  • ヘモグロビン:13.6~18.3

※フェリチンは、鉄の貯蔵や血清鉄の濃度を保つたんぱくです。

※参照元:低身長治療の専門医が教える!13歳からでも身長は伸ばせる! 10の成長スイッチ.pdf【PDF】(file:///C:/Users/koyama/Downloads/【書籍スキャン】低身長治療の専門医が教える!13歳からでも身長は伸ばせる! 10の成長スイッチ.pdf

亜鉛

鉄分と同様で、重要なミネラルの1つです。80以下の場合は欠乏している状態とされていて、補充をする必要があります。

ビタミン

ビタミンの理想とされる値は40以上で、20以下は欠乏している状態だといわれています。ビタミンDは、骨粗しょう症やO脚と関係が深く、重要なデータと言われています。

【まとめ】ALPは身長がどのくらい伸びるのか予測する手立てとなる

ALPは、骨の代謝や合成をする際に働く成分です。2021年4月からIFCCという世界基準に移行したため、基準値が変更になりました。思春期の訪れは、成長ホルモンや性ホルモン、鉄などのデータから予測できるといわれています。ALPはこれからどのくらい身長が伸びるのか予測する手立てにもなるといわれているのです。

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田邊 雄 院長【監修】
東京神田整形外科クリニック 田邊雄 院長

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■所属学会:日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本成長学会
■資格:医師、医学博士、整形外科専門医
■専門:体質性低身長、膝の再生医療
2011年、金沢医科大学医学部卒業。順天堂大学医学部附属順天堂医院関連施設での研修・勤務を経て、2019年に西新宿整形外科院長就任。翌2020年に「東京神田整形外科クリニック」を開院。

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